(ブルームバーグ):フィンテック企業の米ファイサーブは独自のステーブルコインを発行する。オンライン決済サービス大手のペイパル・ホールディングスとステーブルコイン発行企業の米サークル・インターネット・グループと提携し、金融機関や加盟店向けのサービスの開発を進める。
ファイサーブが23日、ステーブルコイン「FIUSD」を年末までに顧客に提供する予定だと発表したことを受け、同社の株価は約4.3%上昇して取引を終えた。今回の合意で金額などの条件は公表されなかった。
米ドルなどの資産と連動させて価格の安定性を高めた暗号資産(仮想通貨)のステーブルコインは決済時の資金移動が安価でスムーズになるとして注目されている。米上院では今月、その規制ルールを定める法案が可決され、金融業界での導入が広がっている。
FIUSDはパクソス・トラストやサークルのステーブルコインの基盤を活用し、仮想通貨ソラナのブロックチェーン上で提供される。
ファイサーブは、ステーブルコインを通して約1万の金融機関と600万の加盟店が新たなサービスを展開できるようになるとしている。さらに、他のステーブルコインとの相互運用ができる設計のため、ペイパルのトークン「PYUSD」に加えてさらなる提携先の拡大も可能だという。
ファイサーブの最高執行責任者(COO)、タキス・ゲオルガコポロス氏はインタビューで「デジタルドルを持っていても、それを銀行口座で見られなければ使い道がない」と指摘。「米国および海外の小規模な銀行や信用組合を含む数千もの提携先の銀行が、顧客にステーブルコイン口座やウォレットを簡単に提供できるようになる」と語った。
ペイパルとの提携では、FIUSDとPYUSDを統合して国際送金や支払いなどを実現できないか模索するとしている。ゲオルガコポロス氏は、顧客がペイパルのウォレットと銀行口座の間で資金を簡単に移動できるようにする計画だという。2023年に導入されたPYUSDは、ペイパルの送金サービス「Xoom」を通じた国際送金の資金や仕入れ先の請求書の確認に利用されている。
原題:Fiserv to Offer Own Stablecoin, Partners With PayPal, Circle (1)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.