(ブルームバーグ):漢方薬に特化したバイオテクノロジー企業、リジェンセル・バイオサイエンス・ホールディングス(RGC)の株価は2025年に入り4万6000%余り上昇している。同社はこれまで売り上げを計上しておらず、利益を上げたこともない。
年初来の株価急騰により、4月時点でペニー株に過ぎなかったRGCは、約300億ドル(約4兆3400億円)相当の市場価値を持つ企業に変身した。1年前の時価総額はわずか5300万ドルだった。
24年6月通期の純損益は440万ドルの赤字となったが、響かなかった。ただ、赤字幅は前年度から28%縮小した。
同社は今月初め、取締役会が38対1の株式分割を承認したと発表した。分割が実施された16日には、株価が1営業日で283%上昇し、過去最高値を記録。終値ベースでの上昇率としては約1年ぶりの大きさとなった。こうした急激な値動きを受け、同社株の売買は10回余り停止された。

香港に本拠を置く同社は、21年に米ナスダック・キャピタル・マーケットに上場。米証券取引委員会(SEC)への最新の年次報告書によれば、現在も研究・開発段階にあり、設立以来一度も収入を計上していない。
リジェンセルの担当者はブルームバーグ・ニュースのコメント要請に応じなかった。同社はケイマン諸島で法人登録している。
株価の極端な変動の一因と考えられるのは、浮動株の少なさだ。5億株近い発行済み株式のうち、市場で実際に売買可能なのはわずか約3000万株にとどまる。これは全体の約6%で、アップル(約98%)やテスラ(87%)と比べはるかに少ない。
残りの株式はインサイダーが保有。ブルームバーグがまとめたデータでは、ヤット・ガイ・アウ最高経営責任者(CEO)の保有分が86%を占める。
原題:Herbal Medicine Stock With No Sales Sees Rally Top 46,000% (1)(抜粋)
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