ジェフリーズ・ファイナンシャル・グループは、ウォール街の資産運用で進行する静かな変化に対応するため、10人以上のトレーダーの採用に乗り出した。この変化とは、バイサイドのトレーディング外注だ。

ジェフリーズは既にトレーダー9人を追加採用しており、さらに8人の採用を予定している。同社は、従来から手掛けてきた株式に加え、債券取引も業務受託の対象に含めることで、外注先としての体制強化を図る。

同社を含め、取引のアウトソーシング業務でシェア拡大を狙うウォール街の金融機関は多い。

ノーザン・トラストの幹部、エイミー・ソーン氏は「重要なのは、大規模な資産運用会社がこの分野に注目している点だ」と指摘。「これは単なるコスト削減策ではない」と続けた。

委託を受けた取引デスクは、資産運用会社やヘッジファンドの繁忙期におけるトレーディング支援や、新たな資産クラス・地域へのアクセス手段として機能する。しかし一部の資産運用会社は、これらを自社のトレーディング部門と完全に置き換えることも視野に入れている。

ジェフリーズは、バイサイドに「利益相反のない」サービスを提供していると強調する。同社は自社のセールス・トレーディングチームと、業務委託を受けたトレーダーを完全に分離している。

ジェフリーズで国際的なトレーディング業務受託の責任者をを務めるディーン・グレー氏はインタビューで「われわれが設けている情報バリアは、注文フローの完全な分離を確約する」と述べ、「リージョナルオフィスはそれぞれ、ジェフリーズの株式関連事業部門から独立した位置付けとなっており、利益相反を回避している」と説明した。

米ステート・ストリートがまとめたデータによると、トレーディング業務の委託に前向きな機関投資家は増えている。2024年に実施した資産運用会社300社を対象とする調査では、回答者のほぼ4分の3が外国為替取引でこうしたサービスを利用したいと考えており、デリバティブ取引についても67%が導入を望んでいることが分かった。

原題:Jefferies Hiring Spree Shows Outsourcing Boom on Wall Street (1)(抜粋)

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