カナダの不動産投資ファンド、ベントール・グリーンオーク(BGO)は、日本を同社の投資計画の中核拠点の一つと位置づけ、投資を加速する。今後2年半でオフィスビルやホテルを中心に1兆6000億円の新規投資を見込む。

アジア担当会長のフレッド・シュミット氏が、51億ドル(約7400億円)を集めたアジア4号ファンドに関連して、ブルームバーグの取材に答えた。同ファンドは融資活用を含め3兆円超の投資余力があり、今後2年半の投資額2兆円超のうち8割を日本に振り向ける方針という。業容拡大に伴い、現在30人超の人員も倍増させたい考えだ。

BGOはカナダの保険会社サンライフ・ファイナンシャルの傘下会社。2023年にリーガロイヤルホテル大阪の土地建物を買収したほか、翌年にはセントレジスホテル大阪が入居する物件を取得するなど、大型案件に積極投資している。

アジア4号ファンドはアジア投資に特化しており、先週、募集を完了した。資金量は16億ドルを集めた3号ファンドの倍以上に膨らんだ。

シュミット氏は、日本ではアクティビスト(物言う株主)の圧力などを背景に、企業保有の3兆ドル規模の不動産が非中核資産として市場に出てくる可能性があり、「ここに大きなチャンスがある」と述べた。現在、交渉中の案件も多いとし、日本での投資は6割をオフィス、3割をインバウンド需要が好調なホテルに振り向けたいという。

東京証券取引所がガバナンス(企業統治)改革を促す中、企業に保有不動産の含み益を吐き出すよう求める株主の圧力が高まっている。

24年にシンガポールの投資ファンド、3Dインベストメント・パートナーズがサッポロホールディングス(HD)に不動産子会社の分離上場を求めたほか、米ヘッジファンドのエリオット・インベストメント・マネジメントは東京ガスに対し、保有する不動産の売却を求めている。

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