(ブルームバーグ):インドネシア東部のダイビングスポットに近いニッケル鉱山が観光に悪影響を及ぼす可能性があるとして、政府が操業を一時停止する方針を決めた。国営企業のアネカ・タンバンが所有するこの鉱山は、西パプア州のラジャアンパット諸島に位置している。
バフリル・エネルギー・鉱物資源相は5日の記者会見で、政府の調査チームが周辺環境への影響を検証する間、鉱山の操業を停止すると明らかにした。この海域は海洋保護区に指定されており、サンゴ礁や生物の多様性で世界的に有名なダイビングスポットとなっている。
同相は「ラジャアンパットが保護すべき観光地であることは理解しているが、その範囲は広大だ」と述べた。

鉱山を運営するアネカ・タンバンの子会社ガグ・ニッケルの広報担当者は、エネルギー・鉱物資源省の決定を尊重し、全面的に協力すると表明した。この鉱山は年間最大300万トンの採掘が許可されている。
インドネシアはここ10年でニッケル産業を急速に拡大。電気自動車(EV)向けバッテリーの将来的な需要を見据えた動きとされる。
世界のニッケル供給量の半分以上を現在占めているインドネシアは、豊富な鉱石資源と、主に中国企業が主導する大規模な製錬業が産業基盤の一角となっている。
急激な拡張の結果として、森林破壊や水質汚染、生態系の破壊に対する懸念も高まっている。ニッケルの製錬は石炭火力に依存しているため、二酸化炭素排出量が多い点も問題視されている。
環境保護団体グリーンピースはジャカルタで先週開催された金属関連会議の会場で、ラジャアンパット諸島での採掘に反対する抗議活動を行った。この行動は地元メディアやソーシャルメディアで大きな注目を集め、政府に対応を促すきっかけとなった。
原題:Indonesia Halts Mine Near Dive Hotspot on Tourism Concern (1)(抜粋)
--取材協力:John Deane、Mark Burton.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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