米電気自動車(EV)メーカー、テスラの人型ロボット「オプティマス」プログラムの責任者が退社すると、事情に詳しい関係者1人が明らかにした。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が将来の事業の重要部分と位置付けるオプティマス事業に不透明感が増している。

非公開情報だとして関係者が匿名で語ったところでは、オプティマスのエンジニア責任者ミラン・コバック氏は6日、直ちに退社すると同僚に伝えた。後任は、テスラの運転支援機能「オートパイロット」チームを率いるアショク・エルスワミ氏が務めるという。

コバック、エルスワミ、マスク各氏はいずれもコメント要請に応じなかった。

コバック氏はその後、X(旧ツイッター)への投稿で退社を認め、人生で「最も難しい決断だった」と指摘。家族と共に過ごす時間を増やしたいためだと説明した。同氏は、「マスク氏とチームに対する私の支持は揺るぎないものだ」としている。

マスク氏は2日のソーシャルメディアへの投稿でコバック、エルスワミ両氏について、テスラの人工知能(AI)事業における「2人のキーパーソン」であり、創業当初からこの分野に携わってきたと評していた。

従来のEV事業が困難に直面する中、マスク氏はAIや自動運転車と並び、ロボティクス事業にテスラの未来を託している。需要低迷に加え、マスク氏の政治活動に対する消費者の反発で、主要市場におけるテスラ車の販売は急減。マスク氏とトランプ米大統領の関係悪化で、規制面を含む同社のリスクはさらに高まっている。

テスラの最新の決算発表で、マスク氏は年末までに自社施設でオプティマスのロボット数千台が稼働するようになると予測。また、2030年までに年間数百万台の生産が可能になるとの見通しを示していた。

原題:Tesla’s Head of Optimus Humanoid Robot Program Exits Company (3)(抜粋)

--取材協力:Kara Carlson.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.