2日の日本市場では株式が続落。米国の関税政策への懸念が再燃した。リスク回避の動きで円は対ドルで約1週間ぶりの水準に上昇。債券は3日の10年国債入札に対する警戒感から下落した。

トランプ米大統領は5月30日、鉄鋼とアルミニウムの輸入関税を4日から50%に引き上げると表明。自身のSNSでは中国が関税合意に違反したとも主張した。また、ヘグセス米国防長官がアジア安全保障会議「シャングリラ対話」で中国による台湾侵攻への対応の必要性に言及し、中国側が強く反発するなど、米中関係の悪化懸念が強まった。

東海東京インテリジェンス・ラボの平川昇二チーフグローバルストラテジストは、鉄鋼・アルミ関税の引き上げ方針に加え、米国が計画している中国テクノロジー業界への制裁拡大も日本の製造業の株価にとってマイナス材料と指摘した。

株式

東京株式相場は続落。トランプ氏の鉄鋼・アルミ関税の引き上げ表明や、米中の貿易交渉を巡る不透明感から売りが優勢だった。

セゾン投信の瀬下哲雄マルチマネジャー運用部長は、米中貿易交渉についてそこまで楽観視すべきではないとの見方が出ており、リスク回避の動きが強まっていると説明。為替の円高を促す傾向があるため、短期的に日本株のマイナス要因になっていると述べた。

自動車や電気機器など輸出関連株が下落。一方、保険や建設は上げた。個別銘柄では住友ファーマが上昇した。5月30日にデンマークに本社を置くノボノルディスクの日本法人と2型糖尿病治療薬「オゼンピック」の日本国内プロモーションで提携すると発表した。

為替

東京外国為替市場の円相場は上昇。トランプ米大統領による鉄鋼関税の引き上げ表明や米中関係の緊張を背景に円買い・ドル売りが優勢で、約1週間ぶり高値を付けた。

IG証券の石川順一シニアマーケットアナリストは、米株価指数先物が下落するなどトランプ関税を巡る不透明感が意識されていると指摘。ドル安の継続に加えて「リスク回避の円買いを警戒すべき状況」にあるとし、目先は「143円台の維持」がポイントと話す。

市場では今週発表される供給管理協会(ISM)指数や雇用統計など米国の主要経済指標に対する警戒も出ている。ウォラー米連邦準備制度理事会(FRB)理事は2日、トランプ政権の関税政策が失業率の上昇を招き、インフレ率を一時的に押し上げると予想した上で、引き続き年内利下げを見込んでいることを明らかにした。

IG証の石川氏は、トランプ関税の影響が出始める5月のデータが順次発表され、景気不安をあおるようなら米金利低下を通じてドル安要因になると指摘。今週のドル・円は「どこまで下値をトライするか、サポートラインを見極める攻防」になると予想している。

債券

債券相場は下落。トランプ米政権の対中貿易政策の不透明感を背景としたリスクオフの流れで買いが先行した後は、3日の10年国債入札に向けた売りが優勢だった。

アクサ・インベストメント・マネージャーズの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは、日本銀行の利上げ期待は高まりつつあるものの、トランプ関税を巡る不確実性が強くリスクがくすぶっているため、10年債入札は無難にこなすとみている。ただ、5日の「30年債入札に対する警戒感が強いので、きょうは入札前の調整の動きとなった」と述べた。

岡三証券の長谷川直也チーフ債券ストラテジストは、10年債入札は利回りが1.5%であれば投資家需要が出てくる可能性があるとみる。とはいえ、「日銀の国債買い入れや財務省による発行減額など不確実な要因」がある中で「5日の30年債入札を受けて超長期金利が上昇すると10年金利も連れて上がるため、あえてその前に10年債を買えるかは疑問だ」との見方も示した。

新発国債利回り(午後3時時点)

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:小宮弘子、間一生、長谷川敏郎、我妻綾.

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