(ブルームバーグ):米国の雇用増加ペースは5月に鈍化した公算が大きい。家計が支出にやや慎重になり、企業が投資計画を見直す中で、雇用主はコスト抑制に重点を置いているとみられる。
ブルームバーグのエコノミスト調査の中央値によると、非農業部門雇用者数は12万5000人増と予想されており、3月と4月の予想を上回る伸びからは鈍化する見通し。ただ、過去3カ月の平均では16万2000人増と堅調なペースを維持することになる。失業率は4.2%で横ばいと予想されている。

雇用主は米トランプ政権の貿易政策の明確化を求めているが、実際には輸入関税の日程修正などが頻繁に行われ、不透明感が続いている。トランプ大統領は貿易不均衡の是正や米国内への長期的な投資促進、重要物資や素材の国内生産拡大を狙って関税を活用している。
一方、経済活動は落ち着きを見せており、消費者信頼感の調査では今後の個人消費がより控えめになる兆しがみられている。ウォーズ・インテリジェンスが3日に発表する5月の自動車販売データでは、2カ月連続で販売が鈍化したと予想される。
業績の悪化を懸念する企業は、コスト削減に一層注力するようになり、結果として労働需要が鈍る可能性がある。6日の雇用統計発表に先立ち、3日に4月の求人件数の発表が予定されており、710万件と2020年末以来の低水準になると予想されているいる。
FRB、貿易・税制政策の影響を見極めへ
連邦準備制度の当局者は、貿易および税制政策による経済やインフレへの影響が明らかになるのを待ちながら、雇用統計を冷静に受け止めるもようだ。
今週はクック理事とクーグラー理事による発言が注目されるほか、ウォラー理事も米国時間1日夜(日本時間2日午前)に経済見通しについて発言する予定だ。4日には米地区連銀経済報告(ベージュブック)が公表される。
5日発表の4月の米貿易収支は、関税発動を控えた年初からの前倒し輸入が一巡した影響で赤字が縮小したと予想されている。純輸出の改善は、4-6月(第2四半期)国内総生産(GDP)の大幅な回復につながると見込まれる。

ECB利下げを市場はほぼ確実視、今後の動向に注目
欧州中央銀行(ECB)は5日に8回目の利下げを決めるとほぼ確実視されている。投資家の関心は、その後の追加的な動きに関する手がかりや、ラガルド総裁が提示する予測に向けられるだろう。予測では、不確実な貿易環境を考慮した複数のシナリオが示される見込みだ。
相次いで公表されるユーロ圏の経済指標が当局者の判断材料となる。3日に発表されるインフレ率は7カ月ぶりに2%に低下すると予想されている。

原題:US Job Growth Seen Moderating on Shifting Trade Policy: Eco Week(抜粋)
--取材協力:Greg Sullivan、Swati Pandey、Laura Dhillon Kane、Monique Vanek、Robert Jameson、Mark Evans、Beril Akman、Kamlesh Bhuckory.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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