30日の欧州債券市場は、ドイツの消費者物価指数(CPI)の上昇率が市場予想を若干上回ったことを受け、短期国債が小幅下落したものの、短期金融市場では欧州中央銀行(ECB)による利下げがほぼ確実視されている。

ドイツ2年債利回りは1ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して1.78%となり、10年債利回りは2.51%で横ばいだった。

ドイツの5月の消費者物価は前年同月比2.1%上昇し、ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想2%を上回ったが、4月の2.2%の上昇からは鈍化した。

ECBが6月5日に25bpの利下げを実施することは、スワップ市場でほぼ完全に織り込まれている。それでも、資金市場は今年末までの利下げ幅の見通しを縮小し、55bpとした。29日時点では57bpだった。

英国の利回り曲線もフラット化した。2年債利回りは3bp上昇し4.03%となった。

5月の欧州株は、月次ベースで1月以来の最大の上昇を記録した。

ストックス欧州600指数は30日、0.1%上昇し取引を終えた。トランプ米大統領が、関税引き下げに関する合意に中国が「違反した」と非難し、米中間の緊張が高まったことで、上昇幅は縮小した。

公益事業やヘルスケアなどのディフェンシブ銘柄が好調だった一方、建設やテクノロジーは最も低調だった。第一生命ホールディングスが株式15%を取得することで合意した、英資産運用大手M&Gは5.5%急上昇した。

5月30日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

原題:German Curve Flattens After Inflation Print: End-of-Day Curves、European Stocks Post Best Month Since January With Eyes on Trade(抜粋)

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