“満員電車で腹痛”といったストレスで腸の調子が悪くなる過敏性腸症候群やその類似疾患は、実は全世界人口の40%が該当する身近な症状です。脳と腸は双方向で密接に信号をやり取りしており、腸の状態が脳の働きや気分に直接影響することがわかってきました。

こうした「脳腸相関」の最新研究を、石巻赤十字病院心療内科部長・東北大学名誉教授の福土審先生が詳しく解説します。
腸内環境を整える具体的な食事法(水溶性食物繊維の摂取など)、睡眠の重要性、そして最新の治療法まで実践的な情報を網羅し、科学的根拠に基づいた対処法を紹介します。

◆出演者◆
▼福土審
石巻赤十字病院 心療内科 部長
東北大学名誉教授
過敏性腸症候群を心療内科の立場にて脳と腸の関係から研究し、治療に取り組んでいる脳腸相関研究の第一人者。
主な治療法は、最新の脳科学と臨床薬理学に基づく薬物療法、自律訓練法、認知行動療法など。この領域の国際的に統一された診断基準を決めるローマ委員会の委員に2003年から選ばれている。
研究への評価は高く、文部科学大臣表彰科学技術賞(研究部門)、アメリカ消化器病学会マスターズ賞を受賞したほか、アメリカ心身医学会の Early Career Awardを、米国外の医師として初めて受賞した。

▼市川衛
医療の翻訳家
東京大学医学部健康科学看護学科卒、元NHKディレクター。2016年スタンフォード大学客員研究員を経て、2021年にNHKを退職。
“医療の翻訳家” として、医療・健康・いのちに関わる難しい情報を、わかりやすく、役に立つ形で翻訳して多くの人に届けることを人生の目標として、執筆やメディア活動、大学の教員などの活動をしている。
現在、武蔵大学社会学部メディア社会学科准教授、広島大学医学部客員准教授、READYFOR株式会社認定パートナーも務める。

◆収録日◆
2025年5月17日