(ブルームバーグ):米投資適格社債の発行額が5月としては2020年以来の高水準になっている。関税を巡る圧力の緩和を受け、企業が資金の調達に動いた。こうした状況は来月も続く可能性がある。
ブルームバーグ・ニュースの集計データによると、29日には6社が計49億ドル(約7050億円)規模の起債を実施。今月これまでの発行額は約1530億ドルとなった。5月としては20年以来の高水準で、当時は米金融当局が景気下支えに向けて利下げしたことで、投資適格社債の発行額は過去最高の約2430億ドルに達していた。
トランプ米大統領が4月に打ち出した関税措置によって世界的な貿易戦争への懸念が高まった結果、金融市場は混乱に陥り、多くの企業が社債発行を控えた。
しかしその後、これらの関税の多くが発動延期となったほか、28日には米国際貿易裁判所がトランプ大統領の関税措置の多くを違法と判断した。トランプ政権は判断を不服として控訴している。

米投資適格社債の米国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は、4月2日にトランプ氏が新たな上乗せ関税を発表する前の水準まで大きく縮小している。これを受け、金融機関などスプレッド重視の企業が、こうした有利な資金調達環境を活用しようとするケースが増えていると、USバンコープの投資適格債資本市場・シンジケート責任者カイル・ステゲマイヤー氏が指摘した。
原題:Corporate-Bond Sales Top $150 Billion in Busiest May Since 2020(抜粋)
--取材協力:Ying Luthra、Brian W Smith.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.