米半導体大手エヌビディアが中国・上海に研究施設を開設するとの報道を巡り、米国共和党のバンクス上院議員と民主党のウォーレン上院議員は29日、「国家安全保障や経済安全保障上、重大な懸念を引き起こす」として、同社のジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)に説明を求めた。

両氏は、エヌビディアが上海に研究開発センターを開設するという英紙フィナンシャル・タイムズの報道を受け、反応を示した。同紙は事情に詳しい関係者の話として、この施設が将来的な拡張や既存社員のために設けられたものであり、エヌビディアが中国国内で人工知能(AI)関連人材の採用広告を出していると伝えている。

エヌビディアの広報サラ・ワインスタイン氏は電子メールの声明で、「同社は、パンデミック後での出社体制に対応するため、既存社員のための新たなスペースを賃借しているに過ぎない」と述べ、「業務の範囲に変更はない」としている。

バンクス、ウォーレン両氏は、この施設を通じて機密情報が中国に漏えい、流出、または移転する可能性があると警戒している。2人は、エヌビディアは自社製品の使用が米国の国家安全保障にどのような影響を及ぼすかを考慮しなければならないとして、同社の技術革新は、「私たちと価値観を共有する民主主義国家との協力圏内で行われるべきだ」と訴えた。

また、2人は「エヌビディアの偉大な財政的・技術的成功は、米国の革新力、納税者が支えた米国の大学研究、そして私たちが提供する資本、安全、自由の下に築かれたものであり、専制国家との協業でもたらされたものではない」と呼びかけた。

2人はエヌビディアに対し、この計画に関する詳細な情報を6月20日までに提出するよう求めた。

原題:Nvidia Faces Bipartisan Concern on China Research Facility Plans(抜粋)

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