(ブルームバーグ):中国の李強首相は27日、東南アジア諸国連合(ASEAN)と湾岸協力会議(GCC)の首脳らに協力関係を深めるよう呼びかけるとともに、中国経済の強さをアピールした。トランプ米政権が中国経済の孤立化を図る一方で、中国政府は外交攻勢を強めている。
李氏はクアラルンプールで開かれた初のASEAN・GCC・中国首脳会議で、「地域の開放を着実に広げ、大市場を育てるべきだ」と述べ、「相互理解に基づき意見の相違を適切に管理する必要がある」と主張した。
今回の首脳会議は、米中両大国の間で揺れる国々を取り込もうとする中国にとって、影響力を広げる新たな機会となった。
李氏の東南アジア歴訪は、先月の習近平国家主席によるマレーシアなどへの訪問に続くもので、習氏はその際、米国による中国封じ込めに対抗し、「アジアの家族」という考えを打ち出した。

中国共産党で総書記の習氏に続くナンバー2の李氏は、中国とASEAN、GCCは「発展段階が異なるが、こうした違いを協力の妨げにすべきではない。むしろ、その違いを補完し合い活用できる強みに変えるべきだ」と語った。
李氏は同日夜に行った別の演説で、外的な課題がある中でも中国経済は依然として強靭(きょうじん)さを保っていると言及。消費拡大に向けた政策支援をさらに強化する方針を示し、それが世界的な製品需要の押し上げにつながると話した。
マレーシアのアンワル首相は首脳会議終了に伴う記者会見で、ASEANは米中両国と関与し続けており、特定の国に偏ってはいないと強調した。
「ASEANの立場とは何か。それは中心であることだ。焦点はどこか。それは全ての人々の福祉と幸福、経済関係、貿易、投資だ。それが中国との協力を意味するのであれば、そうするし、米国ともそうしなければならない」と述べた。
アンワル氏は首脳会議冒頭で、3地域の国内総生産(GDP)を合わせると24兆ドル(約3455兆円)に達すると説明。GCCにはバーレーンとクウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)が加盟している。
原題:China Calls on Asean, Gulf States to Create ‘Big Market’ (2)(抜粋)
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