(ブルームバーグ):28日に行われた40年利付国債入札は、応札倍率が2024年7月以来の低水準になるなど事前の予想を下回った。財政支出拡大への警戒感が根強いことに加え、超長期債の発行減額期待から入札前に利回りが急低下したことを受けて、需要が低調だった。債券先物は下落幅を拡大している。
入札結果によると、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.21倍と、24年7月以来の低水準。最高落札利回りは3.135%と市場予想(3.085%)を上回り、弱い結果となった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは電話取材で「想定していたより弱かった」と語る。発行減額への期待は出ていたが、参院選の前後に財政支出が拡大することへの懸念が根強い上、ここ数日間で利回りが急低下したことも足を引っ張ったと言う。
40年債入札は超長期債市場の動向を占う重要な試金石とみられていた。関税を巡る先行き不透明感や政府支出拡張懸念に対する市場の警戒感は消えていない。日本銀行が国債買い入れ額を段階的に縮小する中、機関投資家は慎重な姿勢を崩しておらず、債券市場の不安定さが一段と増す可能性もある。
三菱モルガン証の藤原氏は「発行減額が実現してもまだ1カ月以上先になることに加え、参院選への警戒感で積極的に買う動きにはなりにくい」とみている。
20日の20年債入札が記録的な不調に終わって以降、超長期債は不安定さを増し、30年、40年債利回りは過去最高を更新していた。40年債入札への懸念も高まっていたが、発行減額観測が浮上したことで、市場ではにわかに楽観論が広がっていた。
事情に詳しい関係者によると、財務省は26日夕、国債の発行額や市場環境に関する意見を尋ねるアンケートを市場関係者に送付した。時期の異例さに加え、機関投資家が含まれるなど対象範囲の広さからも衆目を集め、発行減額の観測が市場で高まった。

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