(ブルームバーグ):28日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=144円台前半で推移。株高によるリスクセンチメントの改善や輸入企業のドル買い観測を背景に144円台後半に下げる場面があったが、前日に大幅反発したドルの調整売りが円を下支えしている。
みなと銀行の苅谷将吾ストラテジストは、仲値決済に向けた実需のドル買いも入ったがすでに元の水準に戻しており、引き続きドルの上値が重い展開と述べた。
27日の海外市場の円相場は一時144円45銭と約1週間ぶりの水準まで下落。5月の米消費者信頼感指数が4年ぶりの大幅上昇となり、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.5%上昇した。
また、国債市場の混乱を受け、日本の財務省が国債発行額についてアンケートを市場参加者に送付していたことが同日明らかになり、世界的に債券相場は上昇(金利は低下)した。
三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は、前日の円金利低下を受けた円安・ドル高の流れや安心感からドル資産に資金を戻す動きがあったものの、財務省の発行年限調整を巡る材料だけでは金利上昇は止められず、ドル・円は上値が重いとみている。
日本銀行の植田和男総裁は28日の衆院財務金融委員会で、超長期金利の上昇が長期と短中期の金利に及ぶ可能性に留意していきたいとの見解を示した。

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