(ブルームバーグ):中国の鉄鋼輸出はすでにピークを迎えた可能性が高いと、ゴールドマン・サックス・グループはみている。貿易障壁の広がりと国内生産の減少が理由だ。
同社は23日のリポートで、中国の鉄鋼輸出が昨年、9年ぶり高水準となる1億1100万トンに達したが、2025年には3%減り、26年にはさらに3割程度落ち込むとの見通しを示した。
中国の鉄鋼輸出に対する最大の逆風は、世界各国で行われている反ダンピング(不当廉売)調査だと説明した。

中国の鉄鋼生産は今年2%、来年は3%減少すると予想されている。これにより26年の生産量は9億4600万トンと、政府が削減に向け動き出した20年のピーク時を10%余り下回る水準となる。
ゴールドマンは「内需と輸出の両面で圧力がかかり、生産は自然に減少すると見込まれ、今年は政府による強制的な生産削減措置は不要」と指摘した。
25年の国内消費は2%減の8億3900万トンと、5年連続の減少となる見通し。製造業が伸びても、不動産セクターの需要減少を補い切れないと同社は想定している。
ゴールドマンは世界市場への影響について、中国の世界における生産シェアが今後は縮小に向かうと分析。ただ、家電や機械などに含まれる間接的な鉄鋼輸出が引き続き増加し、他国での鉄鋼需要が減少することが、こうした見通しに対する変動要因になるという。
原題:Chinese Steel Exports to Drop as Barriers Mount, Says Goldman(抜粋)
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