(ブルームバーグ):スウェーデンのプライベートエクイティーEQTが開発を手がけた渋谷区神宮前の高級低層マンションのペントハウス(最上階物件)が、約95億円で売却されたことが分かった。東京都内の高級マンションの価格高騰が改めて浮き彫りになった。
売却物件はラフォーレミュージアム原宿の裏手に位置する「Marq Omotesando One(マーク表参道ワン)」のペントハウスで、広さは625平方メートル超。EQTの発表によると坪単価は国内過去最高の5000万円超。坪単価と広さで試算すると約95億円となる。
この物件は建物の4階部分全体を占め、4つの寝室と複数のバルコニーやプライベートプールなどを備える。駐車場からの直通エレベーターもあり、24時間対応のコンシェルジュサービス、バレーパーキングも提供する。
購入者は開示されていないが、都心のマンション市況が高騰を続ける中、販売先が特定の顧客に限定され、通常は価格も非公開とされる超高級物件の取引実態が垣間見える動きとなった。収益性の高さを背景に近年、都内の高級マンション開発は加速しており、国内外の投資家需要も旺盛だ。
建築コスト上昇と新築物件の供給減少により、都内の住宅価格は全体的に上昇傾向にある。麻布台ヒルズの「アマンレジデンス」(港区麻布台)や三田ガーデンヒルズ(同三田)など高級物件の販売も平均価格を押し上げている。
14戸が入るマーク表参道ワンは2021年に竣工。段階的に売却を進めており、現在も他の1戸が販売中だ。これまでの最高値はアマンレジデンスのペントハウスの坪単価4400万円だったと報じられている。
不動産コンサルティング会社ナイトフランクによれば、都内の「プライム物件(上位5%の高級物件)」の価格は、24年6月までの5年間で50%以上上昇した。一方、香港、ニューヨーク、ロンドンでは同期間に物件価格は下落している。
ナイトフランクのデータによると、東京の高級不動産は依然として割安で、100万ドル(約1億4400万円)で香港の2倍以上の広さの物件購入が可能だ。
--取材協力:Bernadette Toh.
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