(ブルームバーグ):米ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は26日、米国の貿易・移民政策の大きな変化が、米金融当局による9月までの政策金利の判断に不確実性をもたらしているとの見方を示した。トランプ政権が各国・地域と関税交渉を継続していることが背景にある。
同総裁は東京でのブルームバーグテレビジョンとのインタビューで「あらゆる可能性がある」と発言。ただ、米金融当局が9月までに動くかどうかを巡っては、状況がそれまでに十分に明白になるかどうか「現時点では分からない。データを見る必要があるが、交渉の進展も注視しなければならない」と述べた。
今後数カ月以内に貿易合意がまとまれば、「われわれが求めている明確さの多くがもたらされるだろう」とも語った。
米経済は2025年、堅調なスタートを切ったものの、トランプ政権の関税措置のほか、移民政策の大幅な変更で、企業は投資計画の見直しを迫られている。

広範にわたる関税は米国のインフレ率を押し上げる一方、成長を鈍化させると見込まれている。企業は投資を抑制し、家計部門では支出を控える動きが強まるとみられるためだ。
カシュカリ総裁のほか、シカゴ連銀のグールズビー総裁ら複数の米金融当局者は、近い将来の利下げのハードルは依然として高いとの見方を示している。
カシュカリ総裁は「こうした不確実性は経済活動を圧迫し、われわれにとって課題となる可能性がある」と指摘。「事態がどこで落ち着くのか、金融政策をどう進めるべきかが不透明であるためだ」と説明した。
米金融当局者の間ではここ1週間、関税や米経済への影響を見極めるため、金利調整を巡る様子見姿勢を数カ月間維持する可能性を示唆する発言が複数出ていた。
原題:Kashkari Says ‘Not Sure’ on Interest Rate Moves by September(抜粋)
(情報を追加して更新します)
もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
©2025 Bloomberg L.P.