ロシアとウクライナによる捕虜交換は25日に予定通り行われ、これで両国が今月合意した3日間にわたるプログラムが完了した。ウクライナはその数時間前、2夜連続でロシアによる激しい空爆を受け、少なくとも12人が死亡したと発表した。

ウクライナのゼレンスキー大統領は対ロシア制裁強化をあらためて訴えた。

ゼレンスキー氏はX(旧ツイッター)に「ロシアはこの戦争を引き延ばし、日々殺りくを続けている」と投稿。「米国の沈黙、世界中の他の国々の沈黙は、プーチンを助長するだけだ」と訴えた。

両国は16日にトルコのイスタンブールで2022年以来となる直接交渉を行い、トランプ米大統領とロシアのプーチン大統領は19日に電話会談を行った。それにもかかわらず、攻撃は激化している。

ロシア国防省は捕虜交換の3回目が25日に行われたことを確認。

両国ともに303人ずつの捕虜を交換し、3日間では合意の通り計1000人ずつと、戦争開始以降で最多となった。

ゼレンスキー氏も捕虜交換をXへの投稿で確認した。

ロシア国営のタス通信は25日、両国の直接交渉2回目もイスタンブールで行われる可能性が現時点では最も高いと伝えた。

続く攻撃

ロシアはウクライナの首都キーウに対する攻撃を強化。24日には7時間に及ぶ激しい攻撃を実施。その後、夜間にもドローン(無人機)とミサイルを発射し、25日未明まで続いた。

ウクライナのスビリデンコ第1副首相は、弾道ミサイルや巡航ミサイル、ドローンによる攻撃で同国の死者が計12人に上ったと発表した。

国家非常事態庁は25日早朝、キーウ地域で少なくとも4人が死亡、16人が負傷したと発表し、その多くが子供だったと明らかにしていた。

ロシア国防省は、ウクライナの軍産複合体に対して「大規模な攻撃」を行ったと発表。過去24時間にロシアの防空部隊が、ウクライナのドローン274機などを撃墜したと説明した。

原題:Prisoner Swaps Completed as Russia Fires Deadly Barrage at Kyiv、Russia Ramps Up Ukraine Strikes as Prisoner Swaps Continue (1)(抜粋)

(捕虜交換や2回目の直接交渉場所に関するロシア側の報道などを追加して更新します)

--取材協力:Michael Heath、杉山容俊.

もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp

©2025 Bloomberg L.P.