米銀バンク・オブ・アメリカ(BofA)はメキシコ・ペソについて弱気な姿勢だ。メキシコ経済の減速や、外国人による国外送金への課税を目指す米法案などのリスクを挙げ、対ユーロでペソ下落を見込んだ取引を顧客に勧めている。

最近の上昇で、ペソはマクロ経済のファンダメンタルズ(基礎的諸条件)から見て約10%過大評価されていると同行のストラテジストは分析。メキシコ経済は今年、リセッション(景気後退)に陥る可能性が高く、メキシコ銀行(中央銀行)がさらなる利下げを実施すればペソの見通しに重くのしかかると予想した。

メキシコ中銀は2024年3月以来、政策金利を11.25%から8.5%に引き下げており、今後も利下げを継続するとみられている。

相対的に高い金利によりペソのパフォーマンスは新興国通貨の中で際立っているが、利下げが続けばキャリー取引の妙味は薄れることになる。

エゼキエル・アギーレ氏らストラテジストはリポートで、「成長見通しが鈍化したほか、インフレは予想外にやや上振れしており、メキシコ中銀の姿勢もよりハト派的に転じた」と指摘した。

 

ペソは今年に入り対ドルで7%余り上昇しており、中南米通貨ではブラジル・レアルに次ぐ好パフォーマンスとなっている。メキシコは、トランプ政権による上乗せ関税の影響を免れた数少ない国の1つでもある。

原題:Peso Is Overvalued as Mexico Heads Into Recession, BofA Warns(抜粋)

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