フランスの高級ブランドグループ、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンの創業者ベルナール・アルノー氏は、欧州連合(EU)に対し、米国との建設的な協議を行うよう求め、現在の交渉の進展状況に疑問を呈した。

21日にパリで開かれた企業への国家支援に関する上院公聴会で、「現時点でうまくいっていないようだ」と指摘。交渉はEUと米国の「双方が譲歩し合えるような建設的な形で行われなければならない」と述べた。

同時に米国および中国による関税賦課によってフランスのコニャック製造業者が直面するリスクにも言及。フランス産のコニャックは米中向け輸出が市場の80%を占めている。LVMHはコニャック製造大手ヘネシーを傘下に持っている。

アルノー氏は、米中が追加関税を課せば、コニャック市場に壊滅的な打撃が及ぶと警告。EUはコニャック危機の深刻さを過小評価しているようだと話した。

1980年代からトランプ米大統領と面識のあるアルノー氏は、トランプ氏は協議に応じる用意があり、脅しでは状況は好転しないと指摘。米国との貿易交渉を後押しするために自身の人脈を活用していると明かした。

さらにアルノー氏は、フランスのマクロン大統領による対米投資の一時停止要請を退けた。「国家が民間企業の経営に介入するのはよくない。たいていの場合、それは破滅を招く」と非難した。

原題:Arnault Urges EU to Hold Constructive Talks With US on Tariffs(抜粋)

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