(ブルームバーグ):韓国ウォンが21日に6カ月ぶりの高値を付けた。韓国と米国との貿易協議で為替の方向性が協議されたと韓国経済新聞が報じた。
同紙は匿名の政府当局者の話として、米国は、比較的弱いウォンを韓国の貿易黒字の根本的な原因と見なしていると伝えた。それによると、同当局者は、米韓の協議で為替の方向性について話し合っているものの、米国は具体的な水準には言及しなかったと語った。
韓国の企画財政省は、米国との為替協議は継続中で、まだ何も決定されていないと電子メールでコメントした。
ウォンは21日、一時1.8%上昇し、1ドル=1368.50ウォンと昨年10月以来の高値を付けた。22日早朝の取引では0.4%安と反落している。
ウエストパック銀行の通貨戦略責任者、リチャード・フラヌロビッチ氏は「為替合意の話は、既に説得力を持つアジア通貨の中期的な強気材料に、追加的な材料が加わるようなものだった」とコメントした。
ここ数週間、米国が貿易交渉を通じドル安を実現しようとしているとの懸念が為替市場を揺るがしている。トランプ大統領ら米政権当局者は、対ドルでのアジア通貨安について、アジア輸出業者に米企業に対する不公平な優位性を与えていると主張してきた。

ベッセント米財務長官は、米国がドル安を求めているとの観測を払拭しようとしており、2月以降、米国の強いドル政策に変化はないと繰り返し述べている。
ブルームバーグは先週、事情に詳しい関係者を引用し、米当局者は世界各国と貿易交渉を行っているが、通貨政策に関する約束を合意内容に盛り込もうとはしていないと伝えた。ベッセント長官と加藤勝信財務相は21日、主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議が開かれているカナダで会談したが、米財務省の声明によれば、為替相場の水準については議論しなかった。
ウォンは4-6月(第2四半期)に入ってから対ドルで7%上昇。アジア通貨の中では台湾ドルに次ぐ2位のパフォーマンスとなっている。
原題:Won Jumps on Report That FX Direction Was Discussed With US (1)、S. Korea Says FX Talks With US Are Ongoing, No Decision Made(抜粋)
--取材協力:Shinhye Kang、Daedo Kim、Ruth Carson.
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