暗号資産(仮想通貨)交換業者のバイナンスとクラーケンが、最近公表されたコインベースへのハッキングと同様の手口で攻撃の標的となっていたことが分かった。事情に詳しい複数の関係者が匿名を条件に明らかにした。

両社はいずれもハッキング攻撃を阻止し、顧客情報の流出はなかったという。両社の担当者はサイバーセキュリティーに関するコメントを控えた。

サイバー犯罪者による仮想通貨関連企業や市場参加者に対する攻撃は、業界の黎明(れいめい)期から続いている。中でも、最近のように仮想通貨の価格が上昇する局面では、こうした攻撃が特に増加する傾向がある。これまでにも、バイビットやビットフィネックス、FTXを含む数多くの交換業者がサイバー攻撃により巨額の損失を被ってきた。

関係者によれば、バイナンスとクラーケンは社内ルールと技術的措置によって攻撃を防いだ。バイナンスのケースではサイバー犯罪者が複数の顧客サポート担当者に不正な金銭授与を持ちかけ、連絡先としてテレグラムのユーザー名を提示したという。

ブルームバーグは先週、ハッカーがコインベースの顧客サポート担当者を買収し、顧客データを盗ませた上で、その削除と引き換えに2000万ドル(約29億円)の身代金を要求したと報じた。買収された担当者は顧客の氏名や生年月日、住所、国籍、政府発行ID、一部の銀行情報、口座開設日や残高の情報に不正にアクセスしていた。コインベースによると、同社は今年1月の時点で一部担当者による不審な動きを把握していたという。

原題:Binance, Kraken Are Said to Have Been Targets of Hacks (1)(抜粋)

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