サウジアラビアの化学大手、サウジ基礎産業公社(SABIC)は事業の見直しを進める中、ガス事業の新規株式公開(IPO)を検討している。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

非公開情報だとして関係者が匿名で語ったところでは、SABICは早ければ年内の上場を視野に、ラザードやHSBCホールディングス、JPモルガン・チェース、モルガン・スタンレーなどのアドバイザー候補と初期段階の協議を進めている。

SABICの財務資料によると、同社が74%の株式を保有するナショナル・インダストリアル・ガスは2024年に16億リヤル(約620億円)の売上高を計上した。SABICは、石油化学部門を通じてもガス事業に関わっている。

関係者によれば、協議は初期段階にあり、時期やアドバイザーの選定に関する最終決定は下されていないという。

ラザードとHSBC、JPモルガン、モルガン・スタンレーの担当者はいずれもコメントを控えた。SABICの広報担当者はコメントの要請に応じなかった。

世界の化学メーカーは需要低迷とコスト上昇、利益率縮小といった圧力に直面している。SABICも2四半期連続で赤字を計上し、経費削減に向けて再編計画を策定中だ。同社の株価は年初から10%近く下げており、下落率はサウジの主要株価指数(約5%)を上回っている。

原題:Saudi Arabia’s Sabic Is Said to Explore IPO of Its Gas Business(抜粋)

--取材協力:Anthony Di Paola.

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