(ブルームバーグ):19日朝の外国為替市場の円相場は1ドル=145円ちょうど付近まで上昇。米格付け会社ムーディーズ・レーティングスが米国の格付けを引き下げたことを受けて、米財政懸念が改めて意識されドル売り・円買いが先行している。
ムーディーズは16日、米国の長期発行体格付けを最上位の「Aaa」から「Aa1」に引き下げたと発表した。野村証券の後藤祐二朗チーフ為替ストラテジストは、グローバル投資家のドル離れへの警戒は一段と高まる可能性があり、米債投資にリスクプレミアムの上乗せを求める投資家が増えることで、「米金利上昇とドル安が同時進行しやすくなるリスク」に警戒が必要だと19日付リポートで指摘した。
フランクリン・テンプルトン・インベストメント・ソリューションズの副最高投資責任者マックス・ゴクマン氏も「格下げは驚くべきことではない」としながらも、投資家が安全資産として米国債以外の選択肢に移行し始める中で、ドルに一段の下押し圧力をかけ得ると分析する。
20日からの主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では日米2国間協議が行われる見込みで、円安是正を巡る為替政策が議論されることへの警戒感が円の支えとなっている。一方、関税を巡る中国を含めた各国と米国の通商交渉の進展は円相場の重し。
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