(ブルームバーグ):15日の東京外国為替市場の円相場は1ドル=146円台前半に上昇。米国と韓国が為替政策を協議したことによる円安是正を巡る観測が、円買い圧力となっている。
ニッセイ基礎研究所の上野剛志主席エコノミストは、日本は円安誘導しておらず一律には捉えられないが、警戒は必要だと指摘。関税交渉が米国の思い通りにいかない場合、為替面でけん制を強める可能性は排除できないとし、目先は「円安是正への警戒感で円が支えられる時間帯になりそうだ」と述べた。
14日の海外市場の円相場は一時1.3%高の145円61銭まで上昇した。米国と韓国が5月初めに為替政策を協議し、協議継続で合意したことが分かり、韓国ウォンが対ドルで一時2%近く急伸。加藤勝信財務相が来週に検討しているベッセント米財務長官との会談で円安是正が議論されるとの思惑につながった。
その後、米当局者は通貨政策に関する約束を各国との貿易交渉の合意内容に盛り込もうとはしていないと伝わり、円は146円台後半へ上げ幅を縮小していた。
SBIリクイディティ・マーケットの上田真理人金融市場調査部長は、「韓国ウォンが協議されたことで円高が進むことにはならない」とし、過剰反応だと指摘する。一方、三菱UFJ信託銀行資金為替部マーケット営業課の酒井基成課長は「円安是正に対する懸念がくすぶるため、円買いリスクが残る」と話した。

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