カナダで13日に新内閣が発足し、カーニー首相は新たな経済チームを発表した。ベテラン政治家のシャンパーニュ財務相を続投させる一方で、ゴールドマン・サックス・グループの元バンカー、ティモシー・ホッジソン氏をエネルギー・天然資源相に起用した。

カーニー首相

カーニー新内閣は、同氏の野心的な経済政策の実行を目指し、なじみのある顔ぶれと新人政治家を織り交ぜて構成されている。

新政権は今後数カ月間に困難な課題に直面する。カーニー氏率いる与党・自由党は4月28日の総選挙で勝利。同氏は有権者に対し、自身の政権が米国との関税戦争に勝利できると訴えたほか、国内の通商障壁の撤廃、エネルギー・鉱物資源の価値向上、欧州・アジアの貿易相手国との関係強化も公約に掲げていた。

カナダ首相府は声明で、新内閣が「変革の使命を緊急性と決意を持って実行する」と表明した。カーニー首相は、トランプ米大統領が提示した最初のディール(取引)を単純に受け入れるつもりはないとの考えを示している。

シャンパーニュ財務相

カーニー氏はシャンパーニュ氏を総選挙の直前に財務相に起用。シャンパーニュ氏はそれ以前はトルドー前政権でイノベーション・科学・産業相を務め、独フォルクスワーゲン(VW)など外国企業の投資を呼び込むために多額の公的補助金を約束していた。

シャンパーニュ氏はトルドー政権で外相や貿易相も歴任。フランス語を話すケベック州出身の同氏は総選挙で、自由党が同州で数十年ぶりの好結果を残すことに貢献した。

ホッジソン・エネルギー・天然資源相

一方、エネルギー・天然資源相として閣僚入りしたホッジソン氏は、金融業界で長年の実績を持ち、カーニー氏の経歴とも重なる部分がある。同氏はゴールドマンに約20年間在籍し、2005年から10年までカナダ部門の責任者を務めていた。

ホッジソン氏はゴールドマン退社後、カーニー氏が総裁を務めていたカナダ銀行(中央銀行)で特別顧問に就任。4月の総選挙で自由党の候補として下院議員に当選し、政界入りした。

原題:Carney Puts Ex-Goldman Banker, Quebec Loyalist in Key Jobs (2)(抜粋)

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