(ブルームバーグ):世界最大の政府系ファンド(SWF)、ノルウェー政府年金基金グローバルは、人工知能(AI)の活用に伴い、新たな人材の採用を当面は見送る方針だ。AIが労働力にどのような影響を及ぼすのか、その兆しが早くも現れた格好となった。
ファンドの運営主体、ノルウェー中央銀行投資管理部門(NBIM )のニコライ・タンゲン最高経営責任者(CEO)は13日、オスロで議員らに対し、当面は「従業員がこれ以上増えることは想定していない」と発言。その代わりに「技術活用の拡大を通じた効率性の向上に焦点を合わせる」と述べた。
NBIMの従業員数は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以降に増え続け、昨年末はオスロとロンドン、ニューヨーク、シンガポールの4拠点で計676人と過去最多を記録した。
従業員の約半数は投資活動に従事しているが、同ファンドは主にノルウェー財務省が設定した独自の指数に連動するインデックス投資で運営されている。
タンゲンCEOによれば、同ファンドは投資先に関するニュース記事を16言語でチェックし、各社の状況をつかんでいる。従来であればチェック作業には数日かかっていたが、AIの活用により「現在はわずか10分で完了する」という。
AI活用を積極的に進める同CEOが頻繁に引用する内部調査結果によれば、ファンドの従業員は自己申告ベースで効率が15%向上したと答えている。調査結果は2024年の年次報告書に記載された。
原題:Norway Wealth Fund’s AI Use Sparks Hiring Freeze, CEO Says (1)(抜粋)
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