コバルト・ホールディングスは12日、ロンドン市場での新規株式公開(IPO)計画を公表した。英国ではこの約2年で最大規模のIPOとなる可能性がある。

発表資料によると、バッテリーに不可欠なレアメタル(希少金属)、コバルトを購入・現物保有する同社は、新株発行を通じて約2億3000万ドル(約340億円)の調達を目指している。グレンコア・インターナショナルのほか、アンカレッジ・ストラクチャード・コモディティーズ・アドバイザーが運営する複数の団体が、発行される株式の2割程度を引き受けることで合意したという。

英国ではここ数年、IPO件数が落ち込み、著名企業の上場廃止も相次いでおり、コバルト・ホールディングスのロンドン上場が実現すれば、IPO活動の活性化につながる可能性がある。ブルームバーグの集計データによれば、英国でのIPOを通じた資金調達額は年初来で8500万ドル弱にとどまっている。これに対し欧州全体は約40億ドルだ。

ロンドン証券取引所グループ(LSEG)

英CABペイメンツ・ホールディングスは2023年半ばに2億9150万ポンド(約569億円)規模のIPOを実施。コバルト・ホールディングスのIPOはこれに次ぐ規模となり得る。

iFOREXファイナンシャル・トレーディング・ホールディングスも先週、ロンドンでのIPOを検討していると発表していた。

コバルト・ホールディングスによると、IPOで得た資金は、グレンコアから約6000トンのコバルトを市場価格を下回る水準で購入するのに充てる予定。過剰供給の結果、コバルト価格は数年にわたり値下がりしているが、市場の逼迫(ひっぱく)が見込まれる中でこうした下落局面は買いの好機と同社はみている。

発表資料によると、米銀シティグループがコバルト・ホールディングスIPOでグローバル・コーディネーターなどを務める。

原題:Cobalt Holdings Plans London’s Biggest IPO in Two Years (2)(抜粋)

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