(ブルームバーグ):トヨタ自動車の豊田章男会長を含むトヨタ創業家による、豊田自動織機への買収提案について、同社の株主である米ダルトン・ インベストメンツは支持すると明らかにした。
「豊田氏を全面的に支援する一人だ。なぜならこの計画は極めてダイナミックで大胆だからだ」。ダルトンの共同創業者であるジェイミー・ローゼンワルド氏はインタビューでこう述べた。「取引が成立することを期待している」とも話した。
ローゼンワルド氏は、豊田織を買収しようとする豊田氏の試みは長期的には株主を優先させることにつながると指摘。日本企業はこれまで従業員、顧客、取引先をより重視しており、「株主は階層の底辺にいた」状況を逆転させる取り組みだと歓迎した。
ダルトンはここ数年、豊田織に対して株主提案を提出していた。4月にもロンシャン・SICAVを通じて資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応などを求めている。
豊田織の半期報告書によると、トヨタが豊田織株の24.2%を保有するほか、豊田氏が会長を務めるトヨタ不動産が5.32%を持つ。一方トヨタの半期報告書によると、豊田織はトヨタ株を9.07%保有する。ローゼンワルド氏は豊田織株をどれぐらい保有しているかについては明らかにしなかった。
同氏は、日本には経営不振の同族経営企業があるものの、トヨタはそうではないと指摘。利益追求の動機を持ち、他の経営者よりも優れた成果を上げる傾向があるとして、同族経営企業への投資を好むとも述べた。ただダルトンはトヨタ株を保有していないという。
「日本の他の投資家は、日本企業を合理的な価格で買収する機会と捉えるだろう。すべての株主が利益を得ることになる」とローゼンワルド氏は強調した。
--取材協力:リード スティーブンソン.
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