(ブルームバーグ):米製薬大手イーライリリーの肥満症治療薬「ゼップバウンド」は、ノボノルディスクの競合商品「ウゴービ」よりも平均で約2インチ(約5センチ)多くウエストを細くする効果があることが、初の直接比較試験で分かった。
ゼップバウンドは有効性に関する全指標でウゴービより優れていた。72週間の体重減少量は平均で47%上回った。試験結果はスペインで開催中の欧州肥満学会議で12日に発表される。試験の資金はリリーが拠出した。
リリーは急拡大する新型の肥満症治療薬市場でノボより優位に立ちつつある。ウエストサイズは、腹部に蓄えられた内臓脂肪を示す指標で、その変化は重大な意味を持つ。内臓脂肪はリスクが高いとされる。
研究を主導したニューヨークプレスビテリアン病院の医師でコーネル大学教授のルイス・アローン氏は 今回の試験結果が医薬品処方の判断に影響を与える可能性があると指摘した。
同氏は「5センチの差が、血圧など代謝にかかわる数値の改善につながる可能性が示されてきた」と説明した。ウエストサイズはゼップバウンドで平均18.4センチ、ウゴービで13センチそれぞれ細くなった。
腹部の脂肪は心臓発作や脳卒中、糖尿病などのリスク上昇と関連しており、医師はウエストサイズが身長の半分を超えないよう助言している。
マーストリヒト大学のハイス・ホーセンス教授は「腹部に脂肪が多いと、肝臓や筋肉、心臓にも脂肪が多い可能性が高い」と指摘した。同教授は今回の研究には関与していない。
原題:Lilly’s Zepbound Trims More Belly Fat Than Novo’s Wegovy(抜粋)
--取材協力:Madison Muller.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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