(ブルームバーグ):アジア時間12日午前の取引で米株価指数先物が上げ幅を拡大している。米中貿易協議で両国が強硬姿勢を和らげる意向を示したことを受け、ナスダック100指数の先物は一時2%上昇。S&P500種先物も1.4%高となった。
スイスではトランプ政権2期目で初となる対面での米中高官協議が行われた。中国の何立峰副首相は今回の協議を、両国の相違解消に向けた「重要な第一歩」と位置付けた。
両国とも具体的な点をまだ明らかにしていないが、何立峰副首相は今後の協議に向けた枠組みを設けることで双方が一致したと述べた。ベッセント米財務長官は詳細をスイス時間12日に明らかにすると述べた一方、何副首相は共同声明の発表を約束した。

工業、素材、自動車、半導体、消費財といった分野で中国と関係を持つ米国企業にとっては、数兆ドル規模の売上高がかかっている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のジリアン・ウルフ、ジーナ・マーティン・アダムズ両氏の分析によると、S&P500種株価指数の採用企業は平均で、売上高の6.1%を中国市場に依存している。
米国の主要テクノロジー企業はより中国への依存度が大きい。1-3月(第1四半期)決算によると、売上高全体に占める中国市場の比率はアップルで17%、テスラで22%となっている。
これまでの複数回にわたる報復措置で、米国は対中追加関税を145%にまで引き上げ、中国側も米国製品に125%の関税を課している。トランプ氏はスイスでの協議を前に、対中関税を現在の145%から80%に引き下げる案を示唆していた。
ミラー・タバクのチーフ市場ストラテジスト、マット・マレイ氏は「株式市場は対中関税が20%程度、あるいはそれ以下になることを織り込んでいる。したがって、もし米国がそれよりはるかに高い関税を維持しようとする姿勢を見せれば、市場に悪影響が出る可能性がある。また、協議が長引くような兆候があれば、同様の反応が出るだろう」と指摘した。
原油先物も小幅上昇。北海ブレント原油は1バレル=64ドルを上回った。先週は週間ベースで3週間ぶりに上昇した。一方、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は61ドル近辺で推移している。
一方で、金相場は下落。米中貿易協議に進展の兆候が見られたほか、地政学的緊張が一部緩和したことで安全資産需要が後退した。
原題:Stock Futures Advance After US, China Cite Trade Talk Progress(抜粋)
(米株先物の最新の値動きや原油・金の動向を追加して更新します)
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