(ブルームバーグ):米旅行予約サイト運営会社、エクスペディア・グループが、通期の総予約額と売上高の見通しを引き下げた。年初の米国内旅行と米国を訪れる外国人観光客の需要が予想を下回ったことが背景にある。
スコット・シェンケル最高財務責任者(CFO)は8日の決算説明会で、2025年通期の総予約額と売上高が前年比2-4%増になるとの見通しを示した。2月時点では4-6%増と予想していた。
同社が発表した1-3月(第1四半期)の総予約額・売上高、4-6月(第2四半期)の見通しも市場予想を下回った。
シェンケル氏は「特に米国での需要が予想より弱かった。事業の3分の2を米市場に依存していることが逆風になった」と説明。カナダからの米国旅行予約が約30%減少し、インバウンド予約全体を7%押し下げたという。
決算発表を受け、エクスペディアの株価は通常取引終了後の時間外取引で一時7.3%下落した。
エクスペディアの収益構造は、米国の旅行需要や消費者の裁量支出全般に影を落とす景気の先行き不透明感の影響を特に受けやすい。一方、ブッキング・ホールディングスやエアビーアンドビーは米国外からの収入の割合が多い。
ブッキングとエアビーアンドビーの1-3月の業績はいずれも市場予想を上回ったが、4-6月の見通しは予想に届かなかった。米景気の不透明感が影響した。
エクスペディアによれば、1-3月のプラットフォームでのホテル宿泊、航空券、レンタカー、貸別荘の総予約額は315億ドル(約4兆5900億円)と、アナリストの予想平均(318億ドル)に届かなかった。
原題:Expedia Cuts Full-Year Outlook as US Travel Demand Falters(抜粋)
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