(ブルームバーグ):米ニューヨーク市当局はトランプ大統領の関税措置と強硬な移民対策が観光客離れを招いているとして、今年の外国人観光客数予測を17%引き下げた。
NY市観光会議局が8日に発表した報告書によると、2025年の外国人観光客数は1210万人の見通しで、昨年12月に予測した1460万人から引き下げた。国内観光客も含む全体の訪問者数は6410万人と、前回の予測から350万人減少すると見込んでいる。
観光コンサルティング会社ツーリズム・エコノミクスのアダム・サックス社長は、予想される外国人観光客の減少は、トランプ政権の関税や「社会を分断する政策」、「注目を集めた移民拘束」が原因だと指摘。「関税による価格と可処分所得への影響は疑いなく現実だ」と報告書に関する説明会で述べた。
米国全体でも外国人訪問者数の減少傾向が見られる。米旅行・観光局(NTTO)によると、国外からの訪問者数は2月に前年同月比2.4%減少。3月は11.6%減った。カリフォルニア州の当局者は今週、トランプ氏に対する世界的な否定的感情の影響で、今年の外国人訪問者が9%減少する可能性があると警告した。
外国人訪問者の減少は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後に回復の兆しが見えていたNY市経済の一部に打撃を与える可能性がある。観光当局者によれば、外国人観光客は国内観光客よりも滞在期間が長く、支出額も多い。
原題:NYC Warns of 17% Drop in Foreign Tourists Due to Trump Policies(抜粋)
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