スミス米下院歳入委員長は、州・地方税(SALT)税額控除上限の大幅引き上げを求める高税率州の議員らは「不満足」な譲歩案での妥結を余儀なくされるだろうと警告した。

スミス氏は6日のブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「SALT控除の上限撤廃を求める側」と「控除そのものを認めない側」のバランスを取るつもりだと発言。「全員が不満に感じる数字になるだろう。だからこそ、正しい数字なのかもしれない」と語った。

SALT税額控除上限の大幅引き上げを求める高税率州の議員らは妥結を強いられるだろうと語るスミス米下院歳入委員長

スミス氏は、税制法案でSALT控除上限は現行の1万ドル(約143万円)から引き上げられるとの見通しを示した。同氏は具体的にどのような案を支持しているかについては明らかにしなかったものの、議員らは夫婦合算申告者向けに上限を少なくとも2倍に引き上げ、インフレ率に連動させる案を議論している。

ニューヨークやニュージャージー、カリフォルニアなどの高税率州の議員は個人向けで4万ドル、夫婦合算申告者向けで8万ドルと大幅な引き上げを要求している。こうした変更には向こう10年間で8000億ドル以上のコストがかかる可能性があり、残業代やチップへの課税の撤廃といった他の税優遇措置の実現が難しくなる。

下院共和党のスカリス院内総務は6日、財源に限りがあると記者団に語った。

一方、SALT控除上限の大幅引き上げを主張する議員らは、要求を取り下げるつもりはないと明言している。

原題:SALT Republicans Have to Accept ‘Unhappy’ Deal, GOP Chair Warns(抜粋)

--取材協力:Billy House、David Gura、Julie Fine.

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