(ブルームバーグ):イスラエル軍は6日、イエメンの首都サヌアの空港を空爆した。2日前にイエメンの親イラン武装組織フーシ派が、イスラエルの主要国際空港付近をミサイルで攻撃していた。
イスラエル軍はまた、サヌアの複数の発電所と同市北部のセメント工場を爆撃したとも明らかにした。
サヌア空港はフーシ派が兵器や工作員の輸送に利用していたと、イスラエル軍は説明。空爆したセメント工場は、フーシ派のトンネルや軍用インフラの建設用材料を供給していたという。
一方、米国はフーシ派に対する攻撃をやめるとトランプ大統領は発言。同大統領によると、フーシ派が紅海を航行する船舶への攻撃を停止すると示唆してきたという。
「フーシ派が戦いたくないだけのことだ。われわれはそれを評価し、爆撃をやめる。フーシ派は降伏した」とトランプ氏は述べた。

フーシ派が船舶への攻撃停止を公に示唆したことはなく、その意図をいつ、どのようにトランプ氏に伝えたのかは不明。直接的に質問されたトランプ氏は、「極めて良い筋」からフーシ派の姿勢を聞いたと話すにとどめ、具体的な言及は控えた。
だが、トランプ氏のこの発言があった後、フーシ派の最高政治評議会メンバーであるムハンマド・ブハイティ氏はブルームバーグ・ニュースとのインタビューで「ガザ侵攻とガザの人々の封鎖が終わるまで、結果にかかわらず」紅海とイスラエルでの作戦は「停止しない」と明言。
トランプ政権が攻撃を停止すれば、米国の軍艦に対する攻撃を停止する意思はあると示唆しつつ、「それでもガザを支援する活動は間違いなく続ける」と語った。
米国はフーシ派をテロ組織に指定している。
イスラエルのテルアビブ空港は4日に受けた攻撃で主要航空会社数社の離着陸が一時停止し、数千人のイスラエル人が国外で足止めとなった。一部の外国航空会社は、ガザで戦争が続いている間の安全対策として、長期にわたりイスラエル便の運航を停止している。
イスラエル軍は「テロ組織のフーシ派は、過去1年半にわたりイランの指示と資金提供を受けて行動している。イスラエルとその同盟国に危害を及ぼし、地域の秩序を乱し、世界の自由な航行を破壊することが目的だ」と主張。「イスラエル軍はイスラエルの住民にとって脅威となる者に対しては、どれほど距離が離れていようが断固として強力に行動、攻撃する」と続けた。
パレスチナ自治区ガザでの戦争が始まって以来、イスラエルとフーシ派は断続的に交戦。サヌアを2014年に制圧したフーシ派は、イスラム組織ハマスへの連帯を示している。
イスラエルとイエメンは約1700キロ離れている。
原題:Israel Strikes Houthi-Controlled Airport in Yemen’s Capital (1)(抜粋)
Trump Says Houthis to End Ship Attacks, US to Cease Bombing (1)(抜粋)
(第4段落以降にトランプ氏の発言やフーシ派幹部のインタビューを加えます)
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