暗号通貨(仮想通貨)インフルエンサーとして知られるアンソニー・ポンプリアーノ氏率いる米特別買収目的会社(SPAC)が新規株式公開(IPO)を申請した。2億ドル(約290億円)の調達を目指している。

4月30日に米証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、プロキャップ・アクイジション(ProCap Acquisition)はナスダック・グローバル・マーケット上場を目指し、米証券会社BTIGと取り組んでいる。

著名投資家でもあるポンプリアーノ氏はX(旧ツイッター)で170万人のフォロワーを持ち、26万人以上の読者向けに毎日ニュースレターを執筆。提出書類によると、同SPACのスポンサーで唯一の経営メンバーを務めている。

アンソニー・ポンプリアーノ氏

提出書類によれば、ポンプリアーノ氏はプロキャップ・アクイジションの最高経営責任者(CEO)に就任する。アイケア製品大手ボシュロムのブレント・サンダース会長兼CEOが特別顧問を務める。

プロキャップはどのセクターでも合併を追求する可能性があるが、当初はデジタル資産やフィンテック、資産管理、消費者・ヘルスケア業界など、経営陣が経験を積んでいる分野に注力する意向だという。

提出書類によると、ポンプリアーノ氏は2022年1月から自身が設立した投資会社プロフェッショナル・キャピタル・マネジメントのCEOを務めている。フルティルト・キャピタルの共同設立者でもあり、同社でマネジングパートナーとして2年間務め、18年にモルガン・クリーク・デジタル・アセットに買収された後も20年まで勤務していた。

「白紙小切手会社」とも呼ばれるSPACは、上場時に調達した資金で未公開企業を買収・合併することを目的としている。トランプ米政権の関税政策がもたらした激しい相場変動で、従来型IPOの動きが止まる中でも、SPACのIPOは前進し続けている。

マイケル・セイラー氏率いる米ストラテジー(旧マイクロストラテジー)の戦略を踏襲し、暗号通貨への投資資金を調達するため株式市場に目を向ける企業が増えている。

原題:Crypto Influencer Anthony Pompliano-Led SPAC Files for IPO (1)(抜粋)

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