円相場には来週も下落圧力がかかる公算が大きい。日本銀行の利上げ観測後退に加え、2回目の日米通商交渉で為替が議題とならず、交渉進展への期待が高まっていることも円売り・ドル買いにつながる。

市場関係者の見方

三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジスト

  • 日銀の植田和男総裁が1日の会見で率直に利上げ後ずれの可能性を示したので、年内の利上げ観測が後退しているのは当然だ
  • 米国の関税措置に関する2回目の交渉を終え、円安が問題視されるリスクが低下してドル買いに安心感が出ている
  • 日本勢は大型連休中に為替が大きく動いた場合に備え、いったんは円ロングを整理せざるを得ないため、円安圧力が続くだろう
  • 1ドル=142-149円のレンジでの推移を予想

ふくおかフィナンシャルグループの佐々木融チーフ・ストラテジスト

  • 日米交渉で為替について何も出なかったことで円ロングが巻き戻されている
    • 交渉で円安が問題視され、日銀がタカ派化するとの見方が円ロングの背景にあっただけに、今後も巻き戻しが続くだろう
  • 歴史的水準に膨らんでいる米商品先物取引委員会(CFTC)の円ロングが全て巻き戻される場合、155円がターゲットになる

ソニーフィナンシャルグループの森本淳太郎シニアアナリスト

  • 米雇用統計を受けてドルの反発は一巡する可能性がある
  • 米国と各国との関税交渉が順調に進むとも考えにくいので、積極的にドルを買い続けるのは難しい
  • 144-147円のレンジを予想

来週の主な予定

  • 7日:米連邦公開市場委員会(FOMC)最終日、声明発表とパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見
  • 8日:英中銀、政策金利発表
  • 9日:3月の毎月勤労統計

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