(ブルームバーグ):日本は米国との防衛を巡る議論では、在日米軍の駐留経費などの負担の問題より、協力体制の強化により焦点を当てて進めるべきだー。日米の2回目の関税協議に注目が集まる中、元外相で日本維新の会共同代表の前原誠司氏が語った。
前原氏は訪問先の米ワシントンで4月30日(現地時間)、ブルーバーグの取材に対し、日米軍基地の駐留経費負担増を求めるトランプ米大統領の要請について、「きっぱりはねつけるべきだ」と語った。その上で、負担額を巡り交渉するのではなく、防衛装備品の共同開発や造船など他の分野での協力を議論すべきだと語った。
この問題は1日に予定されている2回目の協議で再び取り上げられる可能性がある。
トランプ大統領は4月16日に行われた1回目の会合を前に自身のソーシャルメディアに、「日本がきょう、関税や軍事支援の費用、『貿易の公平性』について協議するためにやって来る」と投稿していた。

日本には米国本土以外では最大の米軍常駐部隊があり、在日米軍基地には兵士約5万3000人が駐留している。日本は「思いやり予算」として駐留経費の一部を肩代わりしており、2027年3月までの期間、年度平均約2110億円(約14億ドル)を負担している。
トランプ第1次政権で国家安全保障問題担当の大統領補佐官を務めたボルトン氏は著書で、トランプ氏は当時、日本に対して年間80億ドルの負担増を要求したと記した。
日本政府は駐留経費に関するトランプ氏の懸念を公の場で直接取り上げるよりも、安全保障の協力強化を訴えてきた。前原氏も同様に、駐留経費の交渉ではなく、防衛装備品の共同開発や造船など他分野での協力を議論すべきだと語った。
前原氏は、米政府当局者や業界団体などと意見交換のためワシントンを訪れている。
前原氏は、参院選を念頭にした党の外交政策に関し、エネルギーや食料安全保障などの分野での日米が協力することの重要性を強調したいと述べた。トランプ政権という不確定要素が多い中で、有権者は「前向きにとらえることができるのではないか」という。
米国は、日本などへの上乗せ関税24%を一時的に停止したものの、10%の基本税率や自動車、鉄鋼・アルミニウムに対する25%は維持している。関税交渉の日本側の責任者である赤沢亮正経済再生担当相は30日にワシントンに到着した。
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