住友生命保険は2025年度に超長期債を数千億円規模で積み増す。円債の残高は前年度は削減したが、国内金利の上昇を受けて増加に転じる。

増田光男執行役員兼運用企画部長が28日の運用説明会で明らかにした。超長期債利回りは「負債コストである予定利率の平均水準から見て、妙味が十分ある水準にある」と述べた。投資対象については、従来はデュレーション(保有国債の平均残存期間)長期化のため30年債が中心だったが、「今後はリスクリターンの対比とキャッシュフローとの見合いにより、デュレーションは若干短くなる可能性がある」と言う。

住友生命の本社ビルとロゴ

増田氏は、日本銀行の利上げは当初7月を想定していたが、「米関税政策の影響で10月以降に後ずれし、年度内に1回、ターミナルレート(到達金利)は2回の利上げで1%を見込んでいる」と話した。米国は年度内に3回、来年度に1回の利下げを想定し、ターミナルレートは3.25~3.5%と予想している。

増田氏は国内金利の見通しについて、日銀の利上げは一定程度織り込んでおり、ここからの上昇は緩やかなものにとどまるものの、「7月の参院選に向けて財政拡張への懸念から金利上昇圧力が高まる可能性がある」と警戒する。

住友生命では、「ALM(資産と負債の総合管理)運用ポートフォリオ」と「バランス運用ポートフォリオ」に分けて資産運用を行っている。25年度はALM運用に関し、「円金利資産、特に円建てクレジット資産に重点的に資金配分する」とする一方、バランス運用に関しては「24年度終盤以降に削減したリスク性資産の残高復元に臨む」としている。

増田氏によると、バランス運用のポートフォリオの「為替ヘッジ付き外債(ソブリン)等」で日本国債への投資が可能だったが、金利水準が低く、これまでは投資していなかった。金利水準が上昇してきたため、25年度はこの区分で超長期債を数千億円積み増し、ディスクロージャーベースでも前年度減少した「公社債等」の残高は増加に転じるという。

【住友生命の2025年度運用計画】

【金融環境見通し:26年3月末の見通しとレンジ】

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