(ブルームバーグ):4月第5週(4月28日-5月2日)の債券市場では長期金利に低下圧力がかかると予想される。日本銀行が4月30日、5月1日の金融政策決定会合で政策金利を据え置き、市場で追加利上げの後ずれ観測が強まることで買いが優勢となりそうだ。
市場参加者の見方
◎三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジスト
- 日銀の経済・物価情勢の展望(展望リポート)は物価見通しの下方修正が予想され、利上げペースの後ずれが意識されて金利低下要因として働きそうだ
- 日米財務相会談で為替が特段議論にならず、円安是正を目指した日銀利上げシナリオが後退したことも金利の押し下げ要因になる
- 米国の国内総生産(GDP)統計は弱い内容が予想されており、利下げ期待の高まりによる米金利低下が国内の金利低下圧力となりそうだ
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.27-1.38%
◎りそなアセットマネジメントの藤原貴志チーフファンドマネジャー
- 日銀の利上げは9月以降に先送りになるとの見方から、債券相場は底堅く推移しそうだ
- 10年から20年のゾーンでは昨年10、11月と同様にキャリー(利息収入)とロールダウン(残存期間減少に伴う債券価格上昇)を確保する動きが強まるとみられ、堅調になりやすい
- 一方、4月の東京都区部消費者物価指数(CPI)では家賃などが上がり、粘着的に物価が上昇すると判断される。展望リポートの物価見通しがやや下げてもオントラック状態にあることが示されると、金利低下を阻む要因になる可能性がある
- 新発10年国債利回りの予想レンジは1.25-1.40%
国債入札
主な材料
- 4月28日:日銀、5月の国債買い入れ日程
- 4月30日:1-3月(第1四半期)の米GDP速報値
- 5月1日:日銀金融政策決定会合の結果発表、植田和男総裁会見
- 5月2日:4月の米雇用統計
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