米投資会社アポロ・グローバル・マネジメントが支援する米インターネット会社ヤフーは、米アルファベット傘下のグーグルが、ネット閲覧ソフト「クローム」のスピンオフ(分離)を裁判所から命じられた場合、クローム事業に買収提案を行う意向だ。ヤフーの上級幹部が明らかにした。

ヤフーは2000年代初めに検索エンジン市場をリードしたが、グーグルにその地位を奪われた。オーナーが複数回変わった後、21年にベライゾン・コミュニケーションズからアポロが買収。ヤフーはその後、検索エンジンの「再興」を目指してきた。

グーグルの反トラスト法(独占禁止法)違反の是正策を巡り、ワシントンの連邦地裁で24日開かれた審理で、ヤフー・サーチのゼネラルマネジャー、ブライアン・プロボスト氏は、クロームについて「ほぼ間違いなくウェブで最も重要な戦略的プレーヤーだ。われわれはアポロと共にそれを推進できるだろう」と語った。

プロボスト氏は、ヤフーがクロームの売却価格を数百億ドルと見積もっていると説明した。

ワシントンの連邦地裁は昨年、グーグルがオンライン検索サービスと広告分野で反トラスト法に違反したと認定。米司法省はクロームの売却命令などを含む是正案を裁判所に提出した。アミト・メータ判事は3週間の審理を経て、8月までに是正策を決定する予定だ。

米オープンAIで対話型AI(人工知能)ChatGPT(チャットGPT)の責任者を務めるニック・ターリー氏も22日の審理で、クローム買収に関心があると述べており、ヤフーと競合する可能性が高い。

原題:Apollo’s Yahoo Ready to Buy If Google Must Sell Chrome Browser(抜粋)

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