(ブルームバーグ):貿易戦争の打撃を受け、リスクの高い社債には一段の下落余地があるとの見方をブラックロックが示している。
同社のレバレッジド・ファイナンス共同責任者、ミッチ・ガーフィン氏は、「リスク資産や全体的な信用力が一段と悪化する中、スプレッド(上乗せ金利)はここから拡大する可能性が高い」と、ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のポッドキャストで述べた。
米国が予想外に強硬な貿易政策を打ち出したことで、ジャンク債は今月に入り2022年9月以来の大幅下落を記録していた。その後、関税の見直しを受けクレジット市場は株式相場とともに回復したが、企業利益の悪化や金利の高止まりを背景に再び軟化する可能性もある。
ガーフィン氏によると、ハイイールド債(低格付け債)のスプレッドは500-600ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に拡大する可能性がある。その場合、2022年半ば以来の大きさとなる。24日時点では371bpだった。

関税の交渉が長引くほど、リスクの高い借り手の状況は悪化する公算が大きい。
ガーフィン氏は、「この不確実性がさらに1四半期、2四半期、3四半期と続けば、より深刻な景気悪化につながり得る」と指摘した。
ただブラックロックは、企業のクレジットのファンダメンタルズ(基礎的条件)は過去の景気悪化時に比べ良好だと見ている。「景気減速を予想しているものの、デフォルト(債務不履行)が急増するとは考えていない」と同氏は語った。
原題:BlackRock Sees Credit Market Risks Rising as Trade War Rages on(抜粋)
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