JPモルガン・チェースはサンフランシスコのオフィスを拡張し、看板イベントの投資シンポジウム「ヘルスケア・カンファレンス」を来年も同市で開催すると表明した。市中心部の再活性化を目指すルーリー市長の取り組みへの後押しとなる。

JPモルガンの21日の発表によると、市内の主要オフィスの賃貸スペースを約30%拡張して約2万6000平方メートルとし、1600人余りが働く地域拠点にする計画。このオフィスビルは改装され、名称も「JPモルガン・チェース・センター」に変更される。

同行は2023年の地銀ファースト・リパブリック・バンク買収で得たビル内の約1万1600平方メートルのスペースも維持する方針。また市中心部の経済を支援するため、慈善事業に380万ドル(約5億3300万円)を拠出する。

サンフランシスコは他都市と比べて新型コロナウイルス禍からの回復が遅れている。オフィスの空室率は歴史的な高水準に達し、税収減にも直面している。今年1月に就任したルーリー市長は金融・テクノロジー中心地としての地位回復を目指し、大企業に中心部への投資を促している。

市長は1月にJPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)と会談。市長の日程記録によると、ゴールドマン・サックス・グループのデービッド・ソロモンCEOやブラックストーンのジョン・グレイ社長らウォール街の幹部とも面談した。

一方で、市の中心部には回復の兆しも見え始めている。人工知能(AI)関連企業や富裕層がオフィスビルの買収に動いており、不動産市場の回復を見越した動きが進んでいる。先週には、インターネット金融サービスを手掛けるレンディングクラブが新たな本社とするため7450万ドルで市内のビルを購入すると発表。市の回復が進む中で、不動産価格が過去最低水準となっている今は投資の好機だと説明した。

原題:JPMorgan to Expand San Francisco Office in Boost to Downtown(抜粋)

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