(ブルームバーグ):日本でのコメ価格高騰が韓国に異例の輸出機会をもたらした。
日本国内でコメが大幅に値上がりし、高関税にもかかわらず外国産への需要が高まる中、日本は1999年以降で初めて韓国からコメを輸入した。韓国の業界関係者が21日に明らかにした。
今回のコメは韓国農業協同組合中央会(韓国農協)の日本オフィスを通じて輸入された。韓国産のコメ2トンがオンラインや国内のスーパーマーケットで今月販売されたという。
日本のコメ消費全体から見ればわずかな規模だが、トランプ米政権の保護主義的な通商政策による打撃を受けた韓国の輸出全体にとっては明るい材料だ。また、世界貿易を一変させるトランプ政権の取り組みを乗り越えようと、アジア諸国が通商関係の改善を模索するタイミングで実現した。先月には、日本と中国、韓国の経済貿易担当閣僚会合がソウルで開かれ、自由貿易の推進を再確認した。
韓国農協の東京オフィスの関係者は電話取材で、これまでは関税によって価格面の優位性を発揮できなかったが、今では競争力があると説明。事情のデリケートさから匿名を条件に話した。韓国農協が東京オフィスを開設して以降、こうした販売は初めてだとも述べた。
この関係者によれば、2トンの初回分はすでに完売し、来週までに追加で20トンが到着する予定。
日本では、年間約77万トンの無関税枠を超えるコメの輸入に対し、1キログラム当たり約340円の関税が課されている。また、日本の消費者が国産を好む傾向や複雑なサプライチェーンも外国産の輸入を難しくしてきた。
だが、総務省のデータによれば、3月の全国消費者物価指数ではコメ類が前年同月比約92%上昇し、比較可能な1971年以降で最大の伸びとなった。
原題:Japan Buys First South Korea Rice in Two Decades As Prices Surge(抜粋)
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