トランプ米大統領の熱烈な支持者、マージョリー・テイラー・グリーン下院議員は最近、米国債を売却し、アマゾン・ドット・コムとブラックストーン、テスラの株式を買い入れた。そのタイミングが絶妙だった。

トランプ氏は9日、貿易相手国・地域に課す上積み関税の90日間停止を明らかにし、米株価は急回復した。グリーン下院議員が株式を購入したのは、その前日からだ。

グリーン下院議員の金融取引情報開示によれば、取引は今月8日と9日に実行された。トランプ氏は9日午前に「今が買いの好機」とソーシャルメディアに投稿し、約4時間後に上積み関税の90日間停止を公表した。S&P500種株価指数は9.5%上昇し、2008年以来の大幅高となった。

グリーン議員が買い入れた銘柄には、エヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)、クアルコム、ルルレモン・アスレティカ、ナイキも含まれる。

民主党議員らは、トランプ氏と関係する人々が関税を巡る発表のタイミングで利益を得たかどうか調査を求めた。グリーン議員のオフィスにコメントを求めたが、これまでのところ返答はない。

民主党のウォーレン上院議員は、米証券取引委員会(SEC)に宛てた書簡で、事前情報を入手した可能性のある当局者が誰かは分からないとしながらも、インサイダーが相場の変動で利益を得たとすれば「容認できない」と主張した。

米上下両院合同会議で演説を終えたトランプ大統領に話しかけるグリーン下院議員(3月4日)

株式取引を積極的に行うグリーン氏は、半導体およびテック業界に特に強気で、開示書類提出は今年に入り8回目。年初来で50万ドル(現在の為替レートで約7100万円)余り購入した政府保証債の売却に動くのは、今回が初めてだ。

グリーン氏は2日間で2万1021ドルから31万5000ドル相当の株式を購入し、5万1ドルから10万ドル相当の米国債を8日に売却した。上積み関税の90日間停止が公表される前に実行された取引額は正確には分からない。

原題:Trump Ally Greene Bought Tesla and Amazon Before Stock Rally (1)(抜粋)

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