(ブルームバーグ):トランプ米政権の関税を避けたい米国の輸入企業は、関税を支払わずに商品を最長5年間保管できる「保税倉庫」のスペース確保に奔走している。
19世紀から存在する保税倉庫は、消費者により近い場所で商品を保管したいが、関税の支払いは商品が販売されるまで遅らせたい輸入業者に利用されてきた。連邦政府の認可を受けた保税倉庫は通常、港の近くに位置しており、輸入業者に財務面で柔軟性をもたらす。
トランプ大統領は数十カ国に高関税を課し、そのうちの多くを一時停止する一方で、中国に対する関税を強化した。以来、各地で保税倉庫に対する需要が急増。米貿易政策の不確実性が保税倉庫の魅力を高めている。保税倉庫を利用すれば、輸入業者は急きょ課税が一時停止された場合でも迅速な対応が可能だ。
逆に、関税が継続される場合でも、企業が在庫を小分けに出荷することで、関税の支払いを長期にわたり分散できる。これにより、価格上昇で米国の消費者が支出を控えるようになれば、需要の低迷を乗り切るのに役立つ可能性がある。

アマゾン・ドット・コムなどでブランド販売を支援するモメンタム・コマースのジョン・シー最高経営責任者(CEO)は「関税は刻々と変化する。保税倉庫は混沌(こんとん)とした市場でも、ブランド側に対応しやすい手段を提供している」と指摘。
その上で「抜け道というより、政策や需要、利益率への圧力がどこで落ち着くのかを見極めるための時間稼ぎだ」との考えを示した。
短期保管スペースのマッチングを手がけるシアトルの新興企業フレックス(Flexe)では、保税倉庫に関する問い合わせが今年に入ってから6倍に増加。創業者のカール・シーブレヒト氏は「需要が非常に高まっている」と述べた。保税倉庫のコストは現在、一般的な倉庫よりも最大6割高くなっているという。
年1億ドル(約143億円)以上を売り上げるクリスマスツリーの輸入業者は、フレックスを利用して保税倉庫スペースを見つけ、商品を保管し、関税の支払いをホリデーシーズン近くまで遅らせているとシーブレヒト氏は説明。同社のネットワークには、保税倉庫として利用可能な米国の施設が約140カ所あるが、すぐに埋まってしまうという。
原題:Trump Trade War Sparks Run on US Warehouses With Tariff Loophole(抜粋)
--取材協力:Brendan Murray.もっと読むにはこちら bloomberg.co.jp
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