超長期国債の利回りが大幅に低下した。今国会での補正予算案の提出見送り報道や日本銀行の植田和男総裁のインタビュー記事が見直し買いにつながった。

16日の債券市場で新発30年国債利回りは一時2.705%と、前日終値(2.815%)を11ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下回った。トランプ関税を巡る市場混乱を受けた利回り曲線スティープ(傾斜)化の揺り戻しが起きた格好だ。新発20年国債利回りも一時2.24%と、前日(2.325%)比8.5bp低下した。

三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊シニアストラテジストは、超長期債は補正予算への警戒で売られてきたため、自民党は今国会で補正予算案を提出しない方針と日本経済新聞などが伝えたことは「買い安心材料」と見ている。産経新聞の植田日銀総裁へのインタビューに関しては「ハト派的な印象で、買い方向の材料として意識されそうだ」と述べた。

超長期債は、債務負担の増大に対する懸念と世界的な債券市場の混乱による売り圧力という二重苦に見舞われていた。物価高やトランプ米政権の関税措置への対応策として現金給付や消費税引き下げを要求する声が与野党から上がる中、財政拡張への警戒感から30年債利回りは14日に2.845%、20年債利回りは2.44%といずれも2004年以来の高水準を付けた。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤原和也債券ストラテジストは、トランプ政権が米市場の混乱を背景に関税政策を軟化しつつあるほか、15日の20年債入札が警戒された割に大きな波乱がなく、「投資家心理が改善方向にある」と言う。

その上で、ボラティリティー上昇のピークアウト感に加え、補正予算の提出見送り報道を受け財政拡大懸念が和らいでおり、きょうは超長期債がアウトパフォームする可能性が高いとの見方を示した。

(利回りデータを更新し、市場関係者の見方などを加え全体を再構成)

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