15日の米国債は下落。一方、10年物米国債のタームプレミアムは約10年ぶり高水準に上昇した。トランプ政権の予測不能な関税政策が市場に影を落としている。

10年物利回りは14日に1月以来の大幅低下となった後、15日は前日比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.39%となっている。

短期債への再投資を繰り返す代わりに長期債を保有することに対して投資家が求める上乗せ利回りである「タームプレミアム」は、71ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に上昇した。ニューヨーク連銀のデータによると、これは2014年9月以来の大きさ。

米国の経済政策が予測しにくくなっているため、タームプレミアムは上昇傾向にある。トランプ米大統領が高関税を発表し、その後一部の関税を一時停止したことを受け、不確実性の指標は今月、過去最高に迫った。減税案や米国債の発行限度額引き上げの可能性も、米国債のタームプレミアムを押し上げている。

ヤルデニ・リサーチ創業者のエド・ヤルデニ氏はリポートで「利回りを押し上げているのは根本的な懸念だ。単に、投資家がボラティリティーの中でポジションを解消しているということではない」と指摘し、「恐らく、財政赤字を拡大させるような新たな債務上限法案の可能性と政策の不透明性が、債券のタームプレミアムを押し上げているのだろう」との見方を示した。

 

ベッセント財務長官は今月初め、連邦政府が早ければ5月か6月に資金不足により一部の支払い義務を期限通りに履行できなくなる恐れがあると示唆した。

先週は投資家が米国債とドルの安全資産としての地位に疑義を呈し、米国債は週ベースで2001年以来の大幅下落となった。11日には10年物利回りが一時4.59%と2月以来の高水準を付けた。米国債相場は14日に6営業日ぶりに上昇した。

米国債は長い間、外国人投資家からの旺盛な需要に支えられてきたが、その傾向が変化しつつある。シエテ・ジェネラルのストラテジストらはリポートで「米国債に対する外国からの需要の減少は、需要の力学におけるパラダイムシフトであり、最近の出来事はこの傾向を加速させる可能性がある」と指摘した。

原題:Treasuries Fall With Key Gauge of Risk Reaching Decade High、Treasuries Stall With 10-Year Term Premium Reaching Decade High(抜粋)

(最終段落を追加します)

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