米ハイアットホテルズは今後5年でインド国内のホテル数を倍増させる計画だ。アジア3位の経済大国のインドでは、豊かになった人々による結婚式や巡礼、コンサートなどへの出費が増えている。

シカゴに本社を置くハイアットは現在、インド国内で50軒のホテルを運営しており、さらに50軒を増やすとインド・南西アジア担当マネジングディレクター、サンジャエ・シャルマ氏がブルームバーグ・ニュースに語った。そのうち6軒はコチやジャイプールなどの都市で年内にオープン予定だという。

英ロックバンドのコールドプレイは今年、インドでコンサートを開催。シャルマ氏は「コールドプレイのようなコンサートは満員だ」と述べ、ハイアットは旅行者を呼び込むため、こうしたイベントをさらに増やしたいとの考えを示した。

宗教的な旅行やウェルネス体験、リゾートウエディングもインドの旅行市場が伸びている要因だ。

コカ・コーラが設置したフォトブースで写真を撮る巡礼者たち(ウッタルプラデシュ州でのイベントで、2025年2月1日)

インドの旅行・観光市場は2030年までに1310億ドル(約18兆7600億円)に成長すると予想されている。コンサルティング会社EYは、ミドルクラス(中間所得層)拡大を背景に旅行業界は年15%の伸びが見込めるとしている。

「インド市場はウエディング向けの高級消費もあって、ハイアットにとって非常に魅力的だ」とシャルマ氏は指摘。インド人は国内だけでなく、インドネシアのバリ島やベトナム、タイなどでも結婚式を挙げている。

高級品の購入より旅行を楽しむ傾向がインド人の間で強まっており、インディアン・ホテルズやフォーシーズンズなどホテル運営各社が事業拡大に向けた取り組みを進めている。

ハイアットはホテル資産をあまり持たない事業モデルを継続する方針。ホテル建設には投資せず、代わりにホテルの運営と宣伝を支援する。

シャルマ氏によれば、道路や空路の交通網改善が進むインドでは、需要の8割がリゾートなどで上質の体験を求める現地旅行者にけん引されている。

原題:Hyatt Hotels to Double India Capacity in Five Years (Correct)(抜粋)

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